ビーズアクセサリーの歴史は非常に古く、人類が身を飾るために作った最初の装身具の一つとされてございます。

珠に込めた願い 飾りに託したまじない

人は、はるか古代より“身を飾る”という行為を行ってまいりました。
そのはじまりは約15万年前、モロッコの海辺の洞窟に残された、貝殻でつくられた小さな珠だとされております。
まだ言葉もあいまいだった時代……人々はその粒に、祈り、願い、記憶といったものをこめ、糸でつなぎ、身にまとっていたのでございます。

やがて文明の花が開きますと、古代エジプトではトルコ石やラピスラズリ、インダスではカーネリアンやステアタイト
それぞれの土地が授けた宝物で珠を作り、誇りやまじない、身分の印として使われるようになりました。

日本では、沖縄のサキタリ洞窟から発見された約2万3千年前の貝ビーズが最古とされております。
その後、弥生・古墳時代には、翡翠やガラス玉の首飾り、勾玉などが呪術的・装飾的意味をもって人々の手元へ。

つまり――
ビーズとは、珠のかたちを借りた人類の記憶であり、
アクセサリーとは、身を飾るというより『魂を包む衣』でもあるのでございます。

珠が語る 飾りの千年紀

ビーズは古代文明の時代を通じて、宗教儀式や祈りの場で使われてまいりました。
古代エジプト時代から存在していたとされるガラスビーズは、紀元前200~300年頃にインドで
そして1200年頃には中国で製造されるようになったのでございます。
ヨーロッパでは11世紀にガラスビーズの製造が始まり、特にイタリア・ヴェネチアでは
宝石のイミテーションとして使われていたそうでございます。


そもそも、ビーズというものは「飾り」ではなく、『祈りの粒』でございました。
人はまだ、火の使い方を覚えたばかりのころ、海辺で拾った貝殻に、穴をけ、糸でつないで首から下げたのが最初だったそうでございます。


何のために___?

おそらくは、まじない...
あるいは、愛する人の記憶をいつまでも忘れぬため。
また――ひとりでは怖い夜を、乗り越えるためのお守り。


月が満ち、文明の灯がともると
人々は土をこね、石を削り、色硝子を焼いて、さらに華やかな珠を生みました。
古代エジプトの青、インダスの赤、ローマの透明、東洋の翡翠。
それぞれの土地に、それぞれの祈りが、きらきらと散りばめられていたので。ございます。


やがてそれは、権威の象徴にもなり、
王や巫女がそれを身に着け、身分と信仰のあらわれとなってまいります。


西洋ではロザリオとなって「祈りの数」を数え、
東洋では根付や帯留めとなって「日々の美」をそっと彩りました。


そして現代――
珠たちは再び、あなたの手元に戻ってまいりました。
趣味に、癒しに、記憶に。
“飾る”ということが、また新たな祈りのかたちへと還ろうとしているのです。


そうして今日も、ひと粒のビーズが誰かの手で選ばれ
胸元や耳元でひらりと物語を結びます。

それは、ただの装飾ではございません。
過去から未来へとつながる、輝く祈りのしるしなのでございます。

日本における珠と飾りの物語

✿ 珠は海より、祈りを帯びて―― ✿

むかしむかし、まだ神さまも人のかたちをしていなかったころ、
波のそばに住まう者たちは、貝や牙、石をつなぎ、首もとに下げていたそうでございます。

それはただの飾りではなくて、
『悪しきものから身を守れますように』という祈りであり、
『わたしはこの部族の一人です』という証しでもございました。

なかでも、くるりと湾曲した勾玉(まがたま)のかたちは、
魂の通い路を写したもの――そう語られております。



✿ やきものの光、ガラスの夢 ✿

時は流れて、渡りの舟が海を越えると、
異国の手すさびが運んだガラスの粒やとんぼ玉が、
この国の土と火の技に触れて、“和ガラス”という名のうつくしき結晶が咲きました。

江戸の世では、帯留めに、かんざしに、根付に――
遊び心と美意識をたずさえて、珠たちは町娘や芸子の指先を彩ったのでございます。




✿ 現代の粒、未来の祈り ✿

そして戦が過ぎたのち――
わたしたちの国は、極小のガラス珠を正確に、やさしく、美しく作る技術を得ました。

こうして珠たちは、少女の手元に戻り、大人の物語となって再び結ばれはじめたのです。

現代の日本では、『装う』ということが、とても自由になりました。
真珠や金細工のような気品ある装身具もあれば、
手づくりの小さなビーズひと粒にも、物語と想いを編む方が増えております。

若い職人や作家たちが、『わたしだけの飾り』を探し求め、天然石や和の素材を用いた作品を生み
静かに輝きを取り戻している――そんな時代でもございます。


アクセサリーは、宝石のように高貴なものだけではございません。
祈りや日常、そして遊びごころをそっと結ぶ“言葉のかわりとして
あの人も、この人も、今日も何かを身につけて
自分という物語の一節を語っているのでございます。

さあ、貴女の耳元で揺れているその一粒にも
もしかしたら縄文の祈りのかけらが棲んでいるかもしれません。

飾ることは、忘れないこと。
そして、祈りを伝えることなのでございます。



『あなたの飾りには どんな物語がありますか―――?』


ビーズアクセサリーは、その繊細な美しさと華やかさで、古代から現代に至るまで、世界中の人々を魅了し続けております。
単なる装飾品を超え、文化や時代を超えた普遍的な魅力を持つ芸術品とも言えるのでございます。